スイートプリキュア 14話

やっぱり「スイート」はキャラがいいのです。

ハートキャッチのようにコミカルな絵柄ではないのに
喜怒哀楽豊かで個性がある。

そこだけ見るならシリーズでも随一ではなかろうか。

今回は二人のダメさ加減が素晴らしかった。

ミューズが王子だと断定し、本当に、本当に突然一人芝居を
始めてしまう奏。

「僕、南野さんの危ないところ、見ていられなかったんだよ」
今のお前じゃ！それは！


一方響はというと、ミューズと呼んで反応したのが正体だと考え、
教室に向けて「おっはよーー！ミューぅズ！」と大声で呼ぶ。

恐ろしいのは、何事かとクラス中が響の方を向いたのを見て、
「え、ええ～～！？みんなミューズなわけ！？」と本気で思ったこと。
作戦失敗に気付いたのではなく。

お前はお前でかよ！


凄いっすね。
こんなにダメなヒロインが揃ったの、シリーズ初ですよ。
実に個性的で素晴らしいです(笑)。

それ以外にも、王子の弁当が中身も弁当箱も庶民的なのとか、
屋上へ二人を見にきた生徒を恥ずかしそうに睨む奏とか、
お菓子を口の周りにつけまくる響とか、色んなところに可愛さと
個性が出てた。

落ち込んで立ち直るハミィもなんだけど、あれは「セイレーンたら
せっかく元の仲良しにもどれると思ったのにニャあ…」の言い方が
良かった。
声優の、三石の勝利です(笑)。

今回はキャラで楽しませてもらいました。



反面、物語はここ数話の盛り上がりがガクッと落ち込んだように思えた。

二人のミューズ登場は何か相対にかかわることかと思ったら
セイレーンが化けただけだったし、本物のミューズも時が来たら
素顔を見せると言っちゃった。

正体を追うという話、どちらの仲間でもないと言ったミューズの
ミステリアスさの両面でガッカリさせられた。

良いと思ったのは冒頭、セイレーンがリーダーに戻るときに
メフィストが問いただしたことだけですね。
あれの本意はセイレーンの意思じゃなく洗脳のかかり具合の
確認だったわけですから。
でもこれでバスドラの存在感が一気に薄れそうな怖さもあるんだよなあ。


う～ん、ミューズ編ひとまずのラストがこれかあ……。

ん？
待てよ？

理由があって正体を見せない、その時が来たら……ということは、
ここから一つ話が作れるということか。

ミューズが正体を明かせない理由を推測できる手がかりを
小出しに入れていけば、受け手はこのアニメを見るのに気が抜けない。

正体についても、仮に今明かして新キャラだったら受けては卑怯に思う、
でもこれから登場する新キャラなら問題ないし、新キャラが出るたび
受けては怪しむようになる。

ああ～、いかにもこのアニメのスタッフが好きそうな手口だ(笑)。

まあ疑問を印象付けられてないのはマイナスだし、となるとスタッフが
今書いたような計算をしてるのかは疑問だけど、本当に今回の展開が
ダメだったのかはしばらく見守る必要があるね。

唐突にミューズの正体公開編が始まらなければ
計算していたということでしょう(笑)。



一応バトルも書いとこう。
いいとこあったしね。

ダブルパンチとその後の「一人では敵わない困難だって」、
「仲間と力を合わせれば打ち勝つことができる！」の見得と、
奏がデザト…ネガトーンを蹴り上げたあとのポーズが良かったです。

そういえば今期は技名を叫ばないな。
ひらめかないコンビなんだろうか。

変身前の、マイナーランドに連れて行かれそうになる二人の後ろに
ミューズがいたという構図も良かった。



ということで今回。
キャラが良くて、話はひとまず保留という内容でした。
話に凝りたがるスタッフに一応期待しときましょうか(笑)。

次回も笑わせてくれそうで、キャラはかなりいい具合に
動くようになってきてると思う。

これで最初のケンカがなけりゃあねえ(笑)。
あれがあるから今がある、とは全く思わないので(笑)。

ではまた。